この記事ではこんな疑問に答えます。
障害者雇用で働くための方法の一つに「ハローワーク」に登録して障害者求人に応募する方法があります。そんなハローワークには障害者求人の公開以外にも、障害者にとって便利なサービスをいくつも提供していることをご存じですか?
この記事ではハローワークの障害者向けサービスの内容と障害者がハローワークを利用するメリットについて詳しく解説します。最後まで読むと、ハローワークを徹底的に活用する方法を理解していただけるでしょう。
たちばな
統合失調症の当事者のたちばなが執筆しています。デイケア・就労移行支援・就労継続支援A型・障害者雇用・クローズ就労など様々な働き方を経験し、現在はフリーランスのWeb制作者として活動しています。Web制作は1999年から始めたベテラン。スキルを生かして統合失調症などの障害者でも自分らしく働くための情報を発信中です!
・ハローワークの障害者専門窓口のサービス内容
・ハローワークでは障害者雇用の求人に応募できる
・障害者でもオープン就労・クローズ就労を選べる
目次
ハローワークとは?
ハローワークとは厚生労働省が所管している公的機関の一つです。正確には「公共職業安定所」であり「職安」と呼ばれることもあります。
ハローワークは各都道府県内に複数設置されており、仕事をしたい人と働きたい人の双方への情報提供や雇用保険の手続きなどさまざまなサービスを提供しています。
ハローワーク利用の流れ
仕事を探すためにハローワークを利用するときに流れについて解説します。
求職者登録をする
まず最寄りのハローワークで求職者登録を行います。具体的には相談窓口にて「求職申込書」に必要事項を記入して求職申込の手続きを行います。
ハローワークは、初めての人には怖い場所かもしれませんが、安心して使える施設なので、まずは気楽に訪れてみましょう。
障害者専門窓口の担当者と相談する
後述しますが、ハローワークには障害者を対象とした専用の相談窓口があります。ここでは障害者が就職活動するときのサポートをしてもらいます。自分の障害の内容や働きたい職種を伝えて、助言やサポートをしてもらいましょう。
求人を探す
ハローワークには求人を探すためのパソコンが多数設置されており、そのパソコンを使って求人の検索ができます。求人には一般求人と障害者向けの求人の2種類があります。
求人を検索するときに、勤務地や仕事内容などの条件をカスタマイズして、自分の希望する企業に絞り込んで検索できます。
また先ほどの障害者専門窓口の担当者から直接企業を紹介してもらえることもあります。
ハローワークの障害者向け窓口とは
ハローワークには、一般の方(健常者)向けの窓口と、障害者専門の窓口の2種類があります。障害者雇用を目指している場合は障害者専門の窓口を利用しましょう。
障害者専門の窓口では、障害に詳しい「精神障害者雇用トータルサポーター」などが配置されており、障害者にとってきめ細かいサポートが充実しています。
精神障害者雇用トータルサポーターとは、精神保健福祉士や臨床心理士などの資格を持つ専門的なスタッフのことです。精神障害者の就労支援などを担当しています。
ハローワークで障害者が受けられるサービス内容
ハローワークでは障害者を対象としたさまざまなサービスが提供されています。
求職についての相談
障害者を対象とした求職相談ができます。求人情報の探し方や見方、履歴書の書き方、面接の受け方など就職活動全般をトータルでサポートしています。
ハローワークでは「非公開求人」と呼ばれる、おおやけにはなっていない求人もあります。障害者専門窓口の担当者は、このような非公開求人の情報を持っていることがあり、求職者に対して個別の情報を提供していることがあります。
障害者就職面接会
障害者を対象とした障害者就職面接会も実施しています。障害者就職面接会では、一か所に複数の企業をあつめて、合同で就職活動を行うことができます。
障害者にとっては1日で複数の企業へ応募でき、さらに書類選考を経ずに、いきなり一次面接の機会を得ることができます。
ハローワークインターネットサービス
ハローワークインターネットサービスは、ハローワークの求人情報の検索をWebサイトで行えるサービスのことです。
このサービスを使えば、ハローワークに行かなくても自宅や外出先でハローワークの求人の検索ができます。ただハローワークに設置されている端末よりも情報が制限されていることもあります。
現在は求人情報の検索だけでなく、オンラインでの求人への応募や、求職者情報を登録して公開するための機能も備わっています。
ハロートレーニング
ハロートレーニングは求職者を対象とした職業訓練のことです。事務や経理、Web制作などから自分が身につけたい技術を選択して訓練を受けることができます。
障害者に限定したトレーニングもありますが、健常者向けのトレーニングに障害者が応募することも可能です。
自分で専門学校やスクールに通学して学ぶより、非常に安価にトレーニングを受けられるのも魅力的です。
地域の関係機関や訓練機関を紹介してくれる
ハローワークの担当者は地域の関係機関や訓練機関と密接に連携しています。たとえば就労移行支援施設や障害者・就労支援センターなどです。そのため就職活動をするうえで、必要に応じて地域の関係機関や訓練機関を紹介してくれることがあります。
障害者がハローワークを利用するメリット
障害者にとって自力で就職活動を進めるのは困難です。しかしハローワークを利用することで、就職活動においてさまざまなメリットが得られます。
【メリット1】障害者を対象とした求人が多い
ハローワークでは健常者向けの一般求人とは区別された障害者を対象とした求人が多数登録されています。一般求人と比べると少ないのですが、それでも民間の転職エージェントなどと比べると、非常に多くの求人から会社を選択できます。
【メリット2】障害に精通した支援員がいる
先ほども紹介したように、ハローワークには障害に精通した支援員が所属しています。障害の内容に応じて、最適な企業を紹介してくれるため、自力で自分の障害に配慮してくれそうな企業を探すよりも、労力が格段に減少します。
【メリット3】自宅でも求人を検索できる
ハローワークインターネットサービスを使えば、自宅でもハローワークの求人を検索できます。ハローワークインターネットサービスはこれまでに何度かリニューアルをしており、現在ではかなり使い勝手のいいサービスになっています。
現在は、求人だけでなくハロートレーニングの検索も可能となっています。
【メリット4】オープン就労・クローズ就労を選べる
就職活動を進めるにあたり、オープン就労とクローズ就労を選択できるのも、障害者がハローワークを利用するメリットの一つです。
オープン就労とは障害を開示する働き方であり、クローズ就労とは障害を開示しない働き方です。
意外に思われるかもしれませんが、障害者が障害者専門窓口を利用していても、クローズ就労での就職活動の支援をしてもらえます。もちろん求職者にあった企業を進められるのですが、どうしても希望する企業が障害者採用を行っていない場合は、クローズ就労での応募をすることがあります。
もし自分がオープン就労かクローズ就労か選べない場合は、障害者専門窓口の担当者と相談して決めることもできます。
【メリット5】公的機関であるため安心感がある
ハローワークは公的機関であるため、なんだかんだいっても安心感があります。たしかに一部にはブラック企業の求人があるかもしれませんが、基本的にはしっかりとした企業のみが求職者登録をしています。
担当しているスタッフもしっかりとした方ですので、障害者として就職活動を進めるうえでも安心です。
ハローワークを活用して障害者雇用を成功させよう
障害者として就職活動するうえで、ハローワークは強い味方です。単純に仕事を探すだけの施設を思っていた方もいるかもしれませんが、実際には就職活動を強力にバックアップするサービスが充実しています。もし、あなたが就職を目指している障害者でしたら、まずはハローワークへの登録から始めてみましょう。