この記事ではこんな疑問に回答します。
ちまたでは「パラレルワーク」とか「働き方改革」など、新しい仕事のやり方に関する言葉を聞く機会が増えてきました。
「そんなの障害者には関係ないよ」
と言われそうですが、実はこのような流れは、仕事をしたい障害者にとって、かなり追い風になるのではないかと考えています。
というのも、「会社に通勤して働く」というこれまでの働き方から、「自分の好きな時に、好きな場所で仕事をする」という、新しい働き方が徐々に浸透しつつあることを示しているからです。
私自身、2018年4月からフリーランス(個人事業主)として働いています。
会社員だった最後の2か月は、独立のための下準備として、副業をしてました。
別に副業が軌道に乗ったわけではないのですが、そのまま独立してしまいました。
売上自体はまだまだ大したことがありませんが、統合失調症という精神障害を持ちながら、フリーランスとして1年近く働き、「好きな時に好きな仕事をする」を実践してきた経験から、障害者の働き方として「個人事業主(フリーランス)」をおすすめする理由を紹介したいと思います。
たちばな
統合失調症の当事者のたちばなが執筆しています。デイケア・就労移行支援・就労継続支援A型・障害者雇用・クローズ就労など様々な働き方を経験し、現在はフリーランスのWeb制作者として活動しています。Web制作は1999年から始めたベテラン。スキルを生かして統合失調症などの障害者でも自分らしく働くための情報を発信中です!
・フリーランスになれば自分のやりたい仕事を選んで出来る
・フリーランスなら仕事への配慮を自分でできる
・人間関係の構築が苦手な障害者にもフリーランスがおすすめ
目次
障害者が個人事業主(フリーランス)になる理由1:自分のやりたい仕事だけできる
統合失調症のような精神障害を抱えながら、普通の会社員として働くのは、正直かなり厳しいものがあります。
私はクローズ(障害を知らせないで働く方法)で100円ショップの店員をしていましたが、それはそれは大変でした。
職場は私よりも年上のおばちゃん勢ばかりで、なんだかすごくテキパキ働いているんですよね。
そんな感じだったので、あまり仕事のやり方などを質問することもできず、アッという間に私は「仕事ができない新人」になってしまいました。
その時に痛感したのが、
「障害をオープンにして働いたら、配慮を受けながら働けたのかなぁ・・・」
ということでした。まぁ実際にそうなるかどうかは、わかりません。
結局、あまり仕事を覚えられないまま、100円ショップの店員は9か月ほどで止めてしまいました。
現在、フリーランスとして働いているのですが、とにかく「自分に無理しない」という働き方が徹底できる、ということをシミジミと感じますね。
フリーランスと言っても、お客さんからお金をもらって仕事をしています。
しかし「出来ること」と「出来ないこと」の線引きが完璧に自分基準に合わせられるので、「出来ないこと」を無理やりやらされる事は、全くありません。
会社員だったころは、Web制作の仕事をしていたのですが、これはもう、わからないことだらけでした。
ITの仕事ってどこもそうだと思うのですが、Googleで調べものしている時間がめちゃくちゃ多いんですよね。
自分の知っている知識だけでこなせる仕事ばかりやる、という感じではないのです。
新しいことを覚えながら仕事をするのは、最初のころは、結構楽しいのですが、だんだんと年月が経ってくると、大変になってくるのです。
特にWeb業界は毎日のように新しい技術や知識が必要とされます。
なんだかついて行くのが大変になってきたなぁというのも、私が独立した理由の一つでもあります。
そんなわけで、障害者がフリーランスになれば、やりたくない事をできるだけ減らして、自分にできる範囲で働ける、というメリットがあります。これはかなり魅力的ですよ。
障害者が個人事業主(フリーランス)になる理由2:自分への配慮が自分で出来る
障害者雇用で就職すると、企業は様々な面で障害に配慮してくれます。
どの程度の配慮があるのかは、就職先の企業によって様々だと思います。
しかし一言で精神障害者と言っても、必要な配慮が人によって大きく違います。
精神障害の場合の配慮として「ストレスを減らす」とか「勤務時間を少なくする」とか「定期的な通院が必要」とか
「配慮すると仕事にならねーよ」
っていう配慮ばっかりなんですよね。企業としては「とにかく使いづらい」というのが、精神障害者に対する正直な印象でしょう。
その点、フリーランスは楽です。自分への配慮は自分でやればいいのですから。
朝起きるのがつらかったら、昼から仕事をすればいいし、夜なかなか眠れないのだったら、深夜に仕事をすればいいし。
平日に定期通院が必要な時も、有給申請などする必要がありません。
個人事業主の働き方は、とにかく「自分ファースト」。自分の障害に対して自分で配慮して働けるのも、障害者がフリーランスになる大きな理由です。
障害者が個人事業主(フリーランス)になる理由3:一人で働ける
会社員になったら、基本的に同僚や上司と一緒に働くスタイルが基本です。しかし個人事業主は圧倒的に一人です。
私も開業して3か月目くらいに、無性に人に会いたくなったくらい、圧倒的に一人です。
精神障害者の場合、障害者雇用で就職できても、やっぱり健常者の社員からは、偏見のまなざしを受けることになると思うのですよね。ただでさえメンタルが弱いのに、他人から嫌な目線を感じながら働き続けるのは、しんどすぎます。
その点、フリーランスは基本的に自宅で一人で働くスタイルです。
自宅で一人で仕事をしていると、ふとした瞬間に、会社で同僚とわいわいやりながら仕事をしていた時にことを思い出すこともあります。
そんなときは、ちょっぴり寂しい気持ちにもなるのですが、やっぱり一人きりで仕事をしている気楽さの方が勝って、
「一人で仕事するのって、やっぱりいいな!」
って思えてしまうのです。
会社内のわずらわしい人間関係に悩む必要がない、というのもフリーランスならではです。
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精神障害者には個人事業主(フリーランス)が向いている
障害者が個人事業主(フリーランス)になる理由を3つ紹介しました。3つとも実際にフリーランスとして1年間、働いてきて感じた、正直な私の気持ちです。
これだけフリーランスを進めておいて、こんなことを言うのもあれですが、やはり、数年間くらいは会社員として働く期間があった方が良いとは思います。
私は現在、Webライターの仕事をしていますが、今の仕事のベースには、少なからず会社員時代に身に着けた知識や技術、ビジネスマナーなどが活かされているからです。
こんな働き方がいつまで続くのか、自分でもまだわかりません。フリーランスとして成功したとも言えない状況ですが、私個人としては、もう少しフリーランス生活を楽しみたいと思っています。
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