精神障害者にとって障害年金は収入の命綱と言えるほど重要なものです。障害とは「治らない」からこそ障害なのに、多くの精神障害者が受給している障害年金は有期認定となっています。人にもよるのですが、2年おきの更新だったり、5年おきの更新だったりとさまざまです。
今回は、精神障害者の障害年金の更新手続きの方法について詳しく説明します。また実際に障害年金を受給できる診断書の特徴についてもあわせてご紹介します。
たちばな
統合失調症の当事者のたちばなが執筆しています。デイケア・就労移行支援・就労継続支援A型・障害者雇用・クローズ就労など様々な働き方を経験し、現在はフリーランスのWeb制作者として活動しています。Web制作は1999年から始めたベテラン。スキルを生かして統合失調症などの障害者でも自分らしく働くための情報を発信中です!
・障害年金を受給し続けるには更新が必要
・障害年金更新用の診断書には日常生活や仕事の状況を記入する
・働いていても障害年金が更新されるケースもある
目次
障害年金の受給は更新が必要です
障害年金を受給しつづけるためには、定期的に障害年金の受給の手続きが必要です。
定期的と言っても、どの程度の期間ごとに更新の手続きが必要なのかについては、個人によって異なります。
ある障害者は2年おき、別の障害者は5年おきとさまざまです。
このように更新期間に幅が発生してしまうのは、障害年金を受給している障害者の障害の程度が異なるからと考えられています。障害が重い方は、簡単には改善しないだろうと5年おきにされ、ある程度障害が軽い方は、2年おきの短期間の更新で様子を見ようと言った具合です。
さて、この障害の重さや、現在の障害の状態を判断するのが、精神科医です。障害年金を受給されているような方でしたら、定期的に精神科や心療内科への通院をしているはずなので、具体的にかかりつけの精神科医に判断してもらうことになります。
この精神科医による障害の程度を記した書類が、「障害状態確認届」です。
障害年金の障害状態確認届(診断書)とは?
障害年金の障害状態確認届とは、一口で言うと精神科医の診断書です。さまざまな項目があり、それぞれについて精神科医が障害の状態に応じて記入します。
この障害状態確認届は誕生月の3か月前に、日本年金機構から自宅へ送り届けられます。例えば誕生月が7月の場合は、5月中に自宅に届きます。障害年金受給者は届けられた障害状態確認届を精神科病院に手渡して、主治医に中身を記入してもらい、後日受け取ります。
ちなみに、精神科医による障害状態確認届の記入は有料のケースが多いです。具体的な金額は病院によって大きく異なります。3000円程度で済む病院もあれば、10000円ほど必要となる病院もあります。
病院にもよりますが、障害状態確認届を病院の窓口に手渡して受け取れるまで2週間程度の時間がかかります。その場ですぐに障害状態確認届を記入してもらえるわけではないので注意しましょう。
なお、精神障害者用の診断書のひな形を日本年金機構のWebサイトで見ることができます。「記入上の注意」や「記載要領」など、精神科医向けの文書も併せて公開されています。診断書の内容を詳しく知りたい方は、一度ご確認ください。
精神の障害用の診断書を提出するとき
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todokesho/shougai/shindansho/20140421-23.html
障害年金の更新の手続き方法
障害年金の更新の手続き方法は具体的に以下のような感じです。
障害状態確認届を受け取る
日本年金機構から郵送で送られてくるので受け取ります。
障害状態確認届の作成を病院に依頼する
障害状態確認届の提出期限までに日本年金機構に届くように、病院に障害状態確認届の記入を依頼します。大きな病院では時間がかかることがあるので、できるだけ早めに記入依頼した方が良いでしょう。
記入された障害状態確認届を受け取る
病院での記入が終わったら、障害状態確認届を受け取ります。
封がされていることがありますが、別に中を開いて障害状態確認届に記載されている内容を確認しても構いません。
障害状態確認届を提出する
郵送の場合は、障害状態確認届が送付されていた郵便物に障害状態確認届の提出用の封筒が含まれているので、それを使って郵送で日本年金機構に提出します。
直接近所にある年金事務所や市町村に提出することも可能です。
障害年金の更新が認められる診断書の特徴
障害状態確認届の内容によっては、残念ながら等級が下がってしまい、障害年金の受給が停止することがあります。
ただこれはかなりまれなケースです。
実際には、ほとんどの障害者の年金は継続して支給される審査が下ります。
ここで私のケースやインターネットでの情報をもとに、障害年金の受給が継続される障害状態確認届の内容をざっとご紹介します。
「障害の現在の状態」について
「障害の現在の状態」については、
変化なし
改善している
悪化している
不明
の4種類があります。ここについては「変化なし」や「悪化している」であれば、更新しやすいでしょう。
「改善している」と判断された場合、理由としては一般企業へのフルタイムの就職などが考えられます。
「日常生活能力の判定」について
「日常生活能力の判定」はインターネット上では「スペック」などと呼ばれています。「適切な食事」から「社会性」まで7つの分野について4段階で評価します。
- (a)できる
- (b)自発的にできるが時には助言や指導を必要とする
- (c)自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
- (d)助言や指導をしてもできない若しくは行わない
判定の基準となる4つは上記の通りです。例えば「b4c2d1」とか「c5d2」とか、インターネット上ではこんな風に表記されることが多いですね。
ちなみに私の場合「b3c4」の診断で障害基礎年金2級の受給が認められています。これよりも「c」や「d」が多ければ、障害基礎年金2級の受給が認められる可能性は高まるでしょう。
「日常生活能力の程度」について
「日常生活能力の程度」は(1)から(5)までの5段階で生活能力を評価します。ここはシンプルに(3)以上であれば障害基礎年金2級の受給の可能性があります。
「現症時の就労状況」について
「現症時の就労状況」とは、ようするに働いているかどうかです。
- 一般企業
- 就労支援施設
- その他
- 障害者雇用
- 一般雇用
- 自営
- その他
このような観点で評価されます。障害年金の受給の判断において、就労状況はたしかに重視されるのですが、現実には一般企業での一般雇用という最もレベルの高い働き方をしている人でも、障害年金の受給が認められているケースがあります。
ちなみに私の場合は、
・就労移行支援利用時
・就労継続支援A型利用時
・フリーランスをしているとき
・クローズで一般企業でアルバイトしているとき
これら4つのタイミングで障害年金の更新を行いましたが、すべて受給が決定しました。障害名にもよるのかもしれませんが、就労状況については、相当バリバリ働いているわけでなければ問題がないのかもしれません。
まとめ
精神障害者にとって障害年金の更新はちょっとした頭痛のタネですよね。私も正直、年金は死ぬまで貰いたいと思ってしまいますが、やはりベストなのは、障害をしっかりと寛解させて、自分の力で稼いで生活することではないでしょうか。
また、もし障害年金の更新手続きの結果、等級が下がって不支給になっても、再度の審査を請求する手段もあります。詳しくは年金事務所や社労士にお問い合わせください。
あとは下で紹介している書籍にも詳しい情報が記載されているので、よろしければご覧ください。