障害者なら受給している人も多い障害年金。でも、
障害年金って働いていても貰えるものなの・・・?
働いていても障害年金がもらえるかどうかって、めちゃくちゃ気になりますよね。なんとかがんばって就職しても、障害者雇用の賃金ではチト足りない・・・ そんな場合でも、障害年金の収入が上乗せされれば、生活がグッと楽になります。
そんな時に検討したいのが「就労継続支援A型」です。これは障害者のための福祉サービスです。「就労継続支援A型」での雇用だと、働きながら障害年金をもらえるケースが多いのです。
このエントリーでは私も利用している「就労継続支援A型」という雇用形態について説明します。
就労継続支援A型ってなに?
Wikipediaの「就労継続支援」で調べるとこのような事が書いてあります。
就労継続支援(しゅうろうけいぞくしえん)とは、援助付き雇用のひとつであり、一般の企業・公益法人などの団体に就職することが困難な障害者に障害者総合支援法を根拠として提供される。
本事業は都道府県知事による指定制となっており、指定された事業所には、市町村により政令で定められた額の介護給付費、訓練等給付費が支給される(法29条)。これら事業所数は15,368箇所、利用者数は308,672人ほど(2018年3月の国民健康保険団体連合会の支払いデータによる))。
作業所は、大きく「A型事業所」と「B型事業所」とに分かれているが、基本的なコンセプトは、障害者に最終的には一般企業・団体での就労を目指すことを念頭に置き、就労に際して必要な最低限のスキルや技能を身に着けることを目的とする。
決定的な違いとしては、事業所の企業・団体との雇用契約の有無であり、A型事業所は求人者(利用者)と事業所が契約社員として雇用契約が締結されるため、各都道府県が定める最低賃金の給与が保証される(障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準78条)。対してB型事業所は事業所との雇用関係はないが、事業所から給与に代わる作業費用(工賃、最低月額3000円)を受給して就労を行う(障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準87条)。
少しわかりにくいですね^^;
かいつまんで説明すると、
A型事業所 → 雇用契約有、最低賃金を保証
B型事業所 → 雇用契約無、工賃が支払われる(たいていは最低賃金以下の額)
ということです。
A型とB型。どちらがいいかと言えば、待遇の面では断然A型事業所の方が優れています。
雇用契約もあるし、最低賃金も補償されていますからね。ただ業務内容はB型よりも難しいケースが多いです。仕事をするうえで必要な専門的な知識が要求される事業所が多いようです。
一方、B型事業所の仕事内容は、誰でもできそうな「内職」とよばれる仕事が主流です。
ボールペンの組み立てとか、お弁当の配達や簡単な調理、それから福祉事業所が運営しているカフェの店員なんかの仕事が多いですね。
A型事業所の仕事は割と簡単だし、なによりも障害への配慮は十分だから、安心して働けますよ。
どうやったらA型事業所で働けるの?
一般的にはハローワークでA型事業所の求人を見て応募する人が多いようです。
中にはネットなどを使って自分で直接、A型事業所に応募するという方もいらっしゃるようです。
ちなみに私はA型事業所で働く前に利用していた、「就労移行支援」と呼ばれるサービスでトレーニングをしたのち、同じ法人が運営しているA型事業所に就職しました。(正確にいうと、ストレートで就職したわけではないのですが、その話は機会があったらします。)
ただ、世の中にはあまりよろしくないA型事業所もたくさんあります。よくあるのが1日の労働時間が4時間までに制限されているケースです。
これに関していうと、利用者さんが障害のために4時間しか働けない、というケースなら問題ないのですが、現実には「本当はもっと働きたいけど、4時間しか事業所で仕事ができない」というA型事業所も多く、利用者のニーズを満たしていないと考えられます。
A型事業所なら障害年金をもらいながら働ける
これは私のケースですが、障害基礎年金2級をもらいながら、A型事業所で働いています。
A型事業所で働いている間に、2回の障害年金の更新手続きを行いましたが、2回とも2年更新で障害基礎年金2級の受給が決定されました。
「なぜ障害年金の更新ができたのか?」 これは推測なのですが、A型事業所での就労は、あくまでも「福祉的就労」だからではないかと思います。
A型事業所での就労は当然、利用者の障害をオープンにした上で、障害に対する「配慮」を受けながら仕事をすることができます。
A型事業所では配慮を受けて当然です。できないこと・やりにくいことは積極的に伝えて配慮を受けましょう。
一方で、世間一般基準での「働ける」というのは、1日8時間、週40時間の労働を継続することができる状態を想定しているのではないでしょうか(あくまでも推論です)
そういうわけで、A型事業所で働いている状態というのは、世間一般の就労とは区別されているのだと思います。
しかし、ネット上の情報では、たまに「A型事業所で働いているけど、年金の支給が停止になった!」という書き込みをまれに見かけることがあります。
あくまでもネット上の書き込みなので、信憑性は不明です。
障害年金を受給できるかどうかは、更新時に役所に提出する診断書に基づいているので、その診断書に「就労可能」的なコメントが書かれていたら、障害年金の受給は止まることもあるかもしれません。
ですが、私の勤めているA型事業所の利用者で障害年金の支給が停止されたという人はいないです。
インターネット上での情報でも、障害年金をもらいながらA型事業所で働いていらっしゃる方は大勢いるようです。
通称「新ガイドライン」について
昨年、障害年金の審査にかかわるガイドラインが策定されました。
どうしてこのような事になったのかというと、以前は障害年金のが障害認定に地域格差があったからです。これを是正するために、統一されたガイドラインを作って、障害年金の審査を公平にできるようになりました。それがこちらです。
『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』の策定及び実施について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000130041.html
このガイドラインの中に、このような事が書いてあります。
・ 就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型、就労継続支援B型)及び障害者雇用制度による就労については、1級または2級の可能性を検討する。 就労移行支援についても同様とする。
「可能性を検討する」という言葉が微妙ですが、A型で働いている人は基本的に1級及び2級と認定されると考えてよいのではないでしょうか。
就労継続支援A型事業所のこれから
障害者にとってはメリットが豊富なA型事業所ですが、これからどうなっていくのでしょうか。
A型事業所を運営している事業所には、利用者の数に比例した「支援費」というお金が行政から与えられます。
最低賃金を保証することが義務付けられているA型事業所ですが、実際には「うちでやってる仕事では、最低賃金をまかなうなんて、とても無理!」みたいな事業所では、この「支援費」から利用者へ給料が支払われてきました。
この「支援費」から利用者へ給料を支払うということが、今後できなくなるそうです。(これまでも本当はダメだったんだけど、これから締め付けが一層強くなる)
そのため、これまで単価の低い内職のような仕事をやっている事業所は減って行って、ちゃんと障害者自身がそれなりの仕事ができる事業所だけが残っていくのではないでしょうか。
最近のA型事業所はIT系やWeb系などのをやっているところもあり、そういう事業所は、それなりに事業として成り立っているようです。
A型事業所への就職を検討するときには、単純にお金を稼げるかどうかだけでなく、事業としてちゃんと成立している事業所かどうかよく検討してからの方がよさそうですね。