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統合失調症だと働かない方がいい?

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・統合失調症の人の仕事の悩みって?
・統合失調症で働きづらい理由って何?
・統合失調だと働かない方がいいって本当?

統合失調症を患っていても、生きていくためには働かなければなりません。

そんなことを言われても
世間の目線は厳しいし、仕事ができるような状態じゃない
こんな風に弱気になっている方も多いと思います。私もひきこもりのころはそうでした。

統合失調症の人は仕事もせずに自宅でずっと過ごしていればいよいのでしょうか?

結論を言えば、統合失調症でも工夫次第で働くことができます。この記事では、働きたいと思っている統合失調症の方に向けて、仕事での悩みや働けない理由を整理して、統合失調症の方に向いている仕事を紹介します。

立花浩紀

統合失調症の当事者の立花浩紀が執筆しています。デイケア・就労移行支援・就労継続支援A型・障害者雇用・クローズ就労など様々な働き方を経験し、現在はフリーランスのWeb制作者として活動しています。Web制作は1999年から始めたベテラン。スキルを生かして統合失調症などの障害者でも自分らしく働くための情報を発信中です!

この記事でわかること

・統合失調症の人の仕事の悩みは多い
・認知機能障害や疲れやすさが働きづらい理由
・統合失調症でも服薬などの治療と並行して働くことができる

統合失調症ってどんな病気?

統合失調症とは、脳や心の働きが乱れて、考えや気持ちがまとまらなくなる病気です。主に以下の3つの症状が現れるとされています。

・陽性症状
・陰性症状
・認知機能障害

それぞれを見ていきましょう。

陽性症状とは

統合失調症の陽性症状とは、妄想・幻覚・思考障害などの症状のことです。

妄想とは、「誰かから監視されている」「テレビやインターネットで自分のことが話題になっている」など、現実ではないことを強く確信する症状のことです。

幻覚とは、悪口が聞こえたり、あるはずがないものが見えたりする症状のことです。

思考障害とは、考えに一貫性がなくなり、会話などのコミュニケーションで何を言っているのか分からなくなる症状のことです。

陰性症状とは

統合失調症の陰性症状とは、感情鈍麻・思考の貧困・意欲の欠如・ひきこもりなどの症状のことです。

感情鈍麻とは、喜怒哀楽の表現ができなくなったり、他人の感情に共感できなくなったりする症状のことです。

思考の貧困とは、抽象的な表現や言い回しが理解できなくなる症状のことです。

意欲の欠如とは、自分から何か行動しようとする意欲や、行動の継続が難しくなる症状のことです。

ひきこもりとは、自室などにひきこもって外出をしなくなったり、他人とのコミュニケーションをとらなくなる症状のことです。

認知機能障害とは

統合失調症の認知機能障害とは、記憶力の低下・注意力や集中力の低下、判断力の低下などの症状のことです。

記憶力の低下により、物事を覚えるのが難しくなったり時間がかかったりするようになります。

また、注意力や集中力の低下により、仕事や勉強に集中できなくなり考えをまとめたりするのが困難になります。

判断力が低下すると、物事の優先順位をつけるのが苦手になったり、計画的に物事を進めていくことが困難になります。

統合失調症の人の仕事での悩み

統合失調症を含めた精神障害者には、民間企業で仕事をしている人がいます。しかし実際のところ、職場への定着率はそれほど高くなく、短期離職している方も少なくありません。

ここではそのような早期離職をしてしまう方が、仕事においてどのような悩みを抱えているのか紹介します。

仕事が続かない

統合失調症の方の仕事の悩みとして、仕事が続かないということがあります。

就職活動や転職活動をして仕事を始めることができても、職場にうまくなじめなかったり、仕事ができなかったりして、すぐに仕事を辞めてしまう方が少なくありません

その理由は、統合失調症の陽性症状である、幻聴や妄想がきついことや、陰性症状の意欲の低下などがあげられます。ほかの社員からも「こいつはやる気がない」と思われてしまうことで、退職せざるを得なくなるケースもあるでしょう。

仕事ができない

別の悩みとして、仕事ができないケースもあります。

統合失調症の認知機能障害によって、仕事の手順が覚えられなかったり、注意力や集中力の低下により、ミスが連発してしまうのはよくあるケースです。

また疲れやすいことから、フルタイムの労働が難しく、正社員で採用されても、8時間の労働に耐えられない方も多くいます。

仕事が見つからない

統合失調症では、そもそも仕事が見つからないということもあります。

たとえば統合失調症のせいで無職の期間が長かった場合、就職活動をしてもなかなか仕事が決まらないことがあります。また障害が重くて主治医から就労許可が得られないこともあるでしょう。

また学歴やスキル、資格などが十分でも、精神障害に対する偏見により採用を見送られることも多々あります。根気よく就職活動を続けても、不採用が長期間続くことで意欲がなくなり、無職期間が長引いてしまうことは想像に難くないでしょう。

統合失調症で働きづらい理由

統合失調症の人は障害特性のため、健常者のように働くことが難しいとされています。統合失調症の方で働きづらい理由は以下のようなものがあげられます。

認知機能障害があるから

統合失調症の認知機能障害によって、仕事が覚えられなかったり、すぐに忘れてしまうことがあります。そのため周囲の人からは「やる気がない」と思われてしまい、職場に居づらくなって、離職してしまうケースがあります。

本人は真剣に仕事に取り組んでいても、周囲からそう思われないことは辛いものです。

もし障害者雇用での就職なら、作業内容を文書にしてもらったり、指示を受けた時にメモを取る時間をもらうなどの配慮を伝えてみると良いでしょう。

疲れやすくなるから

統合失調症の方の多くは疲れやすい傾向があります。毎日の電車通勤だけでもしんどいため、早退や欠勤してしまうことも少なくありません。

また対人関係が苦手な場合、他人と会話するだけでも、ドッと疲れを感じてしまいます。体力的だけでなく精神的にも疲労を感じてしまうため、毎日十分な休息が必要なのです。

疲れやすいという特性への配慮として、一人でやれる作業に割り当ててもらったり、時短勤務や出社時間を遅らせるなどの対応を求めてみると良いでしょう。

規則正しい生活ができなくなるから

統合失調症の方の中には、規則正しい生活を送るのが難しい方もいます。長期間、昼夜逆転の無職生活を過ごしていた人にとって、朝起きて会社に行くという行動ですら難しいこともあるでしょう。

多くの会社は朝出社して夜退社するスタイルです。そのためには早寝早起きの習慣を身に付けていなければなりません。

もし昼夜逆転が続いてしまったり、夜に眠ることが困難な方は、主治医に相談して寝つきをよくする薬を処方してもらうと良いかもしれません。

統合失調症だと働かない方がいい?

統合失調症は陽性症状・陰性症状・認知機能障害の3つが発症する克服が困難な精神障害です。特に陽性症状が強いときは、幻覚や妄想により他人に危害を加えてしまうケースもあり、世間からは厳しい目線を向けられがちです。

しかし、このような陽性症状は服薬により早期に治まることが多く、統合失調症でも症状が落ち着いている人であれば、働くことは可能です。

民間企業への一般就労が難しい方でも、就労継続支援A型やB型、特例子会社など、障害に対して十分な配慮を受けられる会社であれば、再発しない環境で働き続けることができます。

「統合失調症だから働かない」というのは、早計な判断のように思えます。就労移行支援などの障害福祉サービスを利用して、自分の特性にあった会社に就職すれば、仕事に就くことは難しくありません。

統合失調症の人に向いている仕事

統合失調症でも向いている仕事に就けば、仕事を続けることは可能です。ここでは統合失調症の人に向いている以下の3つの仕事を解説します。

統合失調症の人に向いている仕事

・事務職やデータ入力
・軽作業
・商品管理

それぞれ見ていきましょう。

事務職やデータ入力

事務職やデータ入力は統合失調症におすすめの仕事です。障害者雇用の職種としても多く採用されており、統合失調症の人でも働きやすい仕事です。

事務職には一般事務や営業事務、経理事務、総務事務など多くの種類がありますが、専門性がそれほど高くない一般事務がおすすめです。

またデータ入力は一般事務の仕事の一つであり、紙の資料からExcelにデータを入力したり、インターネットで調査したデータを特定のフォーマットに入力したりする仕事です。

事務職やデータ入力はパソコンを使う仕事ですが、基本的な操作で出来る仕事なので、難しい資格やスキルは必要ありません。

軽作業

倉庫や工場などにおける軽作業も統合失調症にお勧めの仕事です。ちょっとした荷物の運搬や物品の組み立て、検収やピッキング、梱包など、無理しない程度に体を動かす仕事です。

与えられた仕事を黙々と一人で続ける仕事であるため、他の社員とのコミュニケーションを取る場面が少ないため、煩わしい人間関係に困ることもありません。

シンプルな動作の繰り返しなので、難しい判断や高度なスキルが求められることも少ないでしょう。

商品管理

スーパーや量販店などの商品管理の仕事も統合失調症の人がやりやすい仕事です。在庫や新商品の数を確認して、品出しや棚卸しなどを行います。

現在はコンピュータを使って管理されていることが多いので、他の社員とコミュニケーションの場面も少なく、自分のペースで働きやすいでしょう。

商品の知識や名前を覚える必要はありますが、シンプルな仕事ですので、黙々と働きたい統合失調症の方に向いている仕事といえるでしょう。

まずは十分な休息を取ろう

統合失調症だと働くことになかなか自信が持てないかもしれません。私も10年くらいのひきこもりの期間を経て、ようやく仕事を始めることができました。

仕事をしないと!」と焦っている時期が実は一番うまく行かないような気がします。昼夜逆転してる、1日中寝てばかり、外出するだけでもしんどい、自分がこんな状態の時は、まずは十分な休息が必要な期間だと割り切ることも大切です。

少し体調が良くなってきたかな?」と感じたら、デイケアや就労移行支援を利用するのもおすすめです。しっかりと症状をコントロールできるようになってから、あわてずに仕事を探すのがうまく行くポイントです。

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立花 浩紀
「統合失調症と働く」というテーマで活動しています。フリーランスとしてWeb制作に従事しながら、就労継続支援B型事業所で職業指導員をしています。自分自身もデイケア・就労移行支援・就労継続支援A型の経験ありです。このブログでは障害福祉・フリーランス・障害者雇用・一般就労・クローズ就労などに関するお役立ち情報を発信しています!

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