この記事ではこんな疑問に答えます。
障害者が就職のために利用できる、就労移行支援は原則2年間の利用期間が設けられています。しかし利用者の中には、2年間の就労移行の利用で就職できない方もいます。
そのような場合、就労移行支援の利用は延長できるのでしょうか。また延長したとして3年目は具体的に何をするのでしょうか?
この記事では就労移行支援を利用して就職を目指している方に向けて、就労移行支援が2年以上利用できるケースと3年目の訓練について解説します。
たちばな
統合失調症の当事者のたちばなが執筆しています。デイケア・就労移行支援・就労継続支援A型・障害者雇用・クローズ就労など様々な働き方を経験し、現在はフリーランスのWeb制作者として活動しています。Web制作は1999年から始めたベテラン。スキルを生かして統合失調症などの障害者でも自分らしく働くための情報を発信中です!
・就労移行支援の利用期間は原則2年間
・利用者の状況によっては3年目の利用が可能
・2年間の訓練で就職したければ出来るだけ週5日の通所を心掛ける
社会人経験が少なかったり、就職に向けて資格・スキルを身につけたい人は就労移行支援の利用がおすすめです。まずは見学・体験から始めましょう。
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目次
就労移行支援の利用期間は原則2年間です
まず原則として、就労移行支援の利用期間は2年間と決められています。就労移行支援施設の訓練プログラムも最大で2年間の提供となるように調整されており、多くの利用者は入所から2年以内に、企業に就職して就労移行を卒業していきます。
しかし現実には、2年間の就労移行で就職が決まらず、3年目の利用を開始する障害者もいます。
次に就労移行支援の利用期間が1年延長されるケースについてご紹介します。
就労移行支援の利用期間が1年延長されるケース
就労移行支援の利用期間が1年延長されるケースは、以下の3つです。
- 2年間訓練したが、就職できなかった
- 引っ越しなどの理由で通所できなくなった
- 最初の2年の利用期間の間に中断していた
それでは個別に見ていきましょう。
2年間訓練したが、就職できなかった
就労移行支援の利用を開始して、1年半くらい経過した段階で、「どうも2年では就職できそうにないな」と判断されたら、就労移行支援の支援員などと相談して、1年間の延長が検討されます
しかしこれは全ての障害者が延長できるわけではありません。
就労移行の利用期間の延長のためには、自治体に対して申請手続きを行って、審査会によって決定されます。その審査で、延長の合理的な理由が認められれば延長が可能です。
引っ越しなどの理由で通所できなくなった
引っ越しなどの理由で、もともと利用していた就労移行支援施設に通所できなくなった場合も延長可能です。この場合も自治体の障害福祉課への確認が必要です。
最初の2年の利用期間の間に中断していた
就労移行支援の利用を途中でストップしていた場合、時間をおいて再度利用開始することが可能です。しかし2回目の利用で再開しても、過去の利用実績がリセットされることはありません。初回の利用で半年通所していた場合は、2回目は1年と半年利用可能です。
就労移行支援3年目にやること
就労移行支援の3年目も、基本的に1年目や2年目と同じように訓練を続けます。しかし過去に2年間の訓練実績があるため、活動の主軸は就職活動になります。
ただ「これはちょっと見込みがないな……」と判断された障害者ですと、やんわりと就労継続支援A型や就労継続支援B型の事業所の利用を検討するようにうながされます。
これは何も酷い仕打ちというわけではなく、少しでも障害者のためのメリットとなる結果を残したいがための、苦渋の選択です。
就労移行支援を延長する障害者はそれなりにいる
私が通所していた就労移行支援施設でも、3年目の利用をしている障害者はそれなりにいました。
就労移行の利用期間の2年間って、週2回利用する人も、週5回利用する人もどちらも同じなんですよね。このように週に利用する日数が障害者によって違うため、利用回数が少ない方は、やはり訓練量が少なくなってしまうため、就職も苦戦するようです。
就労移行を利用する目的は、職業的な訓練に加えて、毎日安定して通所できるかどうかの実績を作る、というものがあります。そこで週5回利用している方は、企業から安定していると見なされますし、週2回しか利用していない人は、ちょっと不安だな、と思われても仕方がありません。
就労移行を2年で卒業したかったら、週5回利用しよう
就労移行を2年で卒業して就職したい方は、最初の2年間の間に週5回利用できる状態に持っていきましょう。結局のところ就職が目的だとすると、週5日は決められた場所に出社して、仕事ができる体を作らなければなりません。
自分をそういうレベルまで持っていければ、企業への応募時にも他の障害者より評価されますし、何よりも自分に自信がつくでしょう。